建て方ー三間四面の家

 
建て方を行った。
 
これまで、この日に向けてすべての準備をしてきたが、天候についてはお天道さんにまかせる他はなく、一週間ほど前から天気予報を確認しては、それが良いと安心し、少しでも悪くなると心配することを無駄に繰り返してきた。
 
当日は、ありがたいことに雨、雪が降ることもなく、建前をむかえることができた。
 
 
 

 
建物中央に松丸太の梁を配置して、これに県産材の杉丸太を架けて2階の床を受けている。
 
 
 

 
梁と柱の仕口は長ほぞに鼻栓を打つ。
 
 
 

 
丸太の仕上げは鉞(まさかり)ではつり、柿渋を塗っている。
 
山から切り出してきた丸太に最低限の加工を施した状態なので、力強さとこの建物が自然環境とつながっていることを現したいと考えた。
 
 
 

 
通し柱に対して3方向から梁桁が差さるため、柱の断面の欠損を少なくするために、高さを変えている。
 
 
 

 
 

 
通し柱を挟んで床梁と床梁を長ほぞで継いでいるため、柱を倒さないと入らない。
 
 
 

 
2階屋根は登り木をかけて、勾配天井にする予定。
 
やはり、ほぞを組み合わせて、込栓で納める。
 
 
 

 
 
 
 
長期の耐久性を目的に、出来る限り金物を使わない方法で、この建物を組み上げている。
 
伝統的な 木工法にはその知恵の蓄積があるので、その基本的な考え方に従い、時間と手間を惜しむことなく、この日のために準備をしてきた。
 
 
 
 2019.01.19

 

 手刻みー三間四面の家

 
建て方に向けて、手刻みで木作りをしている。
一本一本に曲がりやクセ、節の位置などの性質の違いがあるので、それらを確認し、適材適所を基本にしているので、手作業が必要になる。
 
 

 
柱と梁・桁の仕口は長ほぞを通して込栓。
 
 

 
この地松の桁には鼻栓と込栓の併用。
 
 

 
これは、通し柱への桁の2方差しの仕口で、長竿ホゾの車知栓(しゃちせん)。
 
 

 
手前の部材は、棟桁の継手になるが、台持継(だいもちつぎ)を応用して、栓差しにしたもの。
 
 
上の写真のように、可能な限りボルトなどの大きな金物を使わずに、木を組み合わせて建てることを目標にしている。
そのためには、手作業で木作りをする「手刻み」が必要になってくる。
 
 

 
この家づくりでは、丸太を数本使っているので、特に手刻みならではの仕上げが施されている
 
 

 
薄く墨で色付けをしたので、「手」のあとがよく出ていて面白い。
 
 
 

 
柱は、自然乾燥された福井県産材を使う。
 
 
 2019.01.01