専福寺 門徒会館改修工事
 
周囲を田畑に囲まれた由緒あるお寺の庫裏の改修計画です。
境内には天然記念物に指定された樹齢1000年を越える大欅があり、見物に来られる人も多く、檀家の人たちの精神的象徴にもなっています。
この庫裏は築年数は不明ですが、他所にあったものを移築し、約50年ほど前に茅葺き屋根を2階建ての瓦葺きに改修していることが調査で判りました。
解体し新築の計画も考えましたが、1階部分が欅の柱に差鴨居という伝統的な民家の工法になっており、まだ使えることから、その面影を残しながら、現在の使い方に合わせる再生の方法をとりました。
庫裏は門徒会館と住職家族の住居という2つの用途があり、門徒の方々が頻繁に来ていただく気楽さとプライバシーを保つことが求められます。
門徒会館部分は既存の座敷をできる限り面影として残し、住居部分は機能性を重視した明確なゾーニングとしました。
この庫裏は長い年月、何世代にもわたりここにあり続けてきました。これからもこの地域の精神的支柱として在り続けてほしいと願っています。

計画前の境内全景

改修前の門徒会館

雪が中庭側に落ちないように屋根を掛け替えている。