建て方…織田

 

 
福井県越前町織田で木造住宅の建方を行った。
 
前日の夜にかなり雨が降り影響を心配したが、朝には小雨に変わりそのまま曇り空の一日で、この時期の建方の天気としては最高の一日となった。
時間をかけてお施主家族と話し合ってきた住まいの形が何となく現れてくる瞬間であり、大工にとっては1本ずつ気を使って木作りしてきた構造材が一つに組み合わされる緊張の瞬間でもある。
建方作業は高所作業を必要とするため危険性が高い。そのことはお施主様を始め皆が判っていて、「安全第一」を朝一番の打合せ時の合い言葉にするが、一日が無事終わるまで緊張する。
この住宅の場合、建方が1日で終わる規模ではないが、全体の形が立上がりこれからが楽しみだ。
この住宅は日本の伝統的な民家の要素をそのまま取り込んでいる。
大きな瓦の屋根、広い縁側と畳の座敷、数珠つなぎに部屋をつなげて人も風も自由に抜けられるような構成になっている。
まずは今日という節目を無事迎えることが出来たのは、お施主様ご家族をはじめ周りの皆様のおかげです。
ありがとうございました。
 2011.06.11

 

 ウッドデッキ…濡れ縁

 

 
お施主様からウッドデッキのご相談が以前よりあり、樹種の決定に時間がかかり何とか梅雨前に施工することが出来た。
 
当初は近県産の能登ヒバか桧ではどうかと提案していたが、耐腐朽性が最も高いウリンを使用することなった。
ただ、この材料は「堅い」「重い」「黒い」・・・特に重さは水とほぼ同じだから水に浮くかどうか?と言うシロモノで、大変堅いため施工性が悪い。
でも、外部に使用して腐りにくいため、公共建築や商業建築の外部空間に使われている。
近年では個人住宅のウッドデッキによく使われるようになったためにちょっと詳しい方ならおなじみの材料になっている。
 
ウッドデッキというと船の甲板のイメージが強い。夏の太陽に輝く汗と冷たいシャンパンが似合うのか?…私には似合わないけど…
 
日本的には「濡れ縁」のことで内部と外部の中間の空間として計画され、その上部には深い庇が必ずある。
濡れ縁となると夏の夕涼み、冷たいビールに枝豆がいい。スイカも水にさらして冷やしたい。
明日は住宅の建方、雨の天気予報が良くなっているので、神頼みを今日の最後の仕事にして明日に備えたい。
 2011.06.10

 

 耐震診断

 
  
木造住宅の耐震診断を実施した。 
昭和53年に完成したこの住宅は、耐震基準が変わった昭和56年以前の建物のため、現在の耐震基準に照らしてどの程度の耐力があるか、また、耐力が不足していた場合にその補強の方法を検討するため調査を行った。
 
当時の住宅金融公庫を利用し、また、書類の整理がしっかりとされていて、図面等の必要書類を見せていただくことが出来たので、現地調査はスムーズに行うことが出来た。
また、建て主ご家族が、家に関心を持って住まわれていて、これまでの改修の履歴や不具合の様子をしっかりとお聞きすることも出来たので、調査するポイントが事前に把握できた。
 
建て主ご家族が、耐震診断を受けてみようと思われた理由は、断熱改修を計画する前に、現状把握をしたいと考えられたからだ。
腐朽の程度など住まわれている家の状態を知ることなしにリフォームを行うことで、後になって工事が無駄になってしまうことをを心配されていたので、補助制度を利用することも出来るため、ぜひに、とこちらからも勧めた。
 
診断に用いられる耐震基準が、建設当時と今とでは大きく違うので、耐力不足が明らかになることは予想されるが、最近各地で起こっている震度6強を超える地震に対して、現耐震基準に従い耐震性を上げることの効果は明らかなので、もし、今お住まいの家の建設年度が昭和56年以前なら耐震診断を受けることを勧めたい。
2011.04.27