稚児行列

 

大野市 専福寺


 
以前お世話になった大野市の専福寺では、17年に一度、御開扉される一光三尊佛をお迎えしての一般参拝と稚児行列が行なわれた。
 
稚児行列の出発前は多数の人出が予想されるので、早めにお参りだけと思って出かけたが、すでに遅く駐車場所に困る状態で、子供達の声が、普段は静かな集落をにぎやかにしていた。
 

出発前の様子


 
  朝からの小雨もお昼前には上がり、秋晴れの天気になったので、これも仏様のお力か。
最近では子供の数が少なくなり、大野市では小中学校の合併話が進んでいるが、稚児行列に参加される多くの若いご夫婦とかわいらしい子供達を見ると、暗いニュースもホントかなと感じてしまう。
昨年は、福井市内で落慶法要にあわせた稚児行列があり、2年続けての縁のある寺院での行事に出会い、うれしくありがたい思いにさせていただいた。
帰りが遅くなっては、稚児行列と重なり駐車場から出られなくなると思っていたが、以前お世話になった材木屋の社長さんが玄人はだしの蕎麦打ちの腕前で、おろし蕎麦のお店を出しておられたので、いそいで2杯食べて帰ってきた。
 2015.09.13

 

 墨付けと木造り

 

土台と梁桁の墨付け


 
新築住宅の墨付けと木造り作業を進めている。
墨付けとは木材を組み合わせるために、長さと組み合う箇所(継手、仕口)の細工を木の4面に描くことで、木造りはその墨付けされた通りに切ったり削ったりすること。
 

土台のホゾ穴は下まで通している

 
 
木造住宅の骨組みとなる柱、梁などの材料は、丸太から必要なサイズに木取りされた木材が、それぞれが組み合うように加工されて部材になるが、自然素材の木は1本1本違うから難しい。
それは、桧や杉などの針葉樹、ケヤキなどの広葉樹といった樹種の違いもあるが、同じ樹種の材料を何本か揃えても、それぞれにクセがあるから、手に取り目で確かめながら墨付けをしていく。この作業は工場で機械加工されるプレカットでは困難だ。
一見して分かる節などの欠点については、見栄えのこともあるので判断しやすい。
節の少ない木材は人目につくところへ配し、節が目立つと収納などへと振り分けるが、梁、桁など横架材として曲げの力がかかる部材として使う場合は、節の大きさと場所が材料の強度に関わるので、慎重に判断する必要がある。
丸太から指定した寸法に切り出された角材は、きっちり真っすぐに製材されても、乾燥が進み、時間の経過とともに、縮んだり反ったりする。そこで、木材の使い方の上下左右を見る必要がある。反りを向かい合わせて使うと組上げた時にしまる方向になるが、反対だと離れる力が残ってしまうので好ましくない。
また、墨付け加工の時には、反りやねじれがさほど見られないが、建物として組み上がった後に出てくる場合もあるので、”あて”と呼ばれる狂いが内部に存在している木材は使わないようにする。
その他に、木には先端と末端(根元の部分)があるので上下を見る必要があり、先端に比べて末端の部分はねじれが大きい傾向にあるので、継手を造る際にはそれを考えておく必要がある。
 

強度と含水率が表示された認証ふくい県産材


 
木で建物を造るということは、1本づつ性格の違う材料を確かめながら、それぞれに能力が出せるところに配して、全体として強さを発揮できるようすることで、その他の構造、コンクリート造や鉄骨造とは大きく異なる。
「適材適所」が木造の基本となる。
 2015.09.11

 

 材料検査

 

県木市場にストックされている杉の横架材


 
住宅に使う構造材を福井県産材の杉に指定して、材木屋さんと打合せをしてきたが、乾燥のこともあり、そろえるまでに時間がかかった。
県木市場で進められている「認証ふくい県産材」の制度は、福井県の杉を構造材に利用するため、産出地から製材されるまでの経路を明らかにして、製材品の乾燥と強度を明示するトレーサビリティを行なうことで、県産杉材の品質を管理しようとしている。
まずは、その制度でストックされた材料から必要な寸法に合うものを探し、柱と一部の梁桁を確保したが、幅4寸(120mm)を越える材料はストックが少ないので、近隣の材木屋さんにあたるなどもしてもらい、ストックの見つからない材料については新たに原木を挽いてもらった。
そのため、材木の乾燥の進んでいないものが何本かあり、乾燥機に入れたり、桟積みしたりと、お願いしていた。
この日は、材料がおおかた揃ったとの連絡をいただき見に来た。
  

含水率のチェック

 
 
含水率については、まだバラツキがあり、もう少しの時間を乾燥に当てる必要があるが、色、目(年輪)のこみ具合、節の少なさなど、思った以上の材料が用意できた。
また、床板や飾り棚に使えそうな化粧材についても、クライアントと一緒に見て回り、材種と特徴について確認した
これから、大工さんの木造り(手加工)へと工程は進む予定。
 
 2015.09.05