織田…屋根瓦その2

 

 
連日の猛暑の中、職人さんのがんばりのおかげで屋根工事が完了した。

 

 

瓦は土(粘土)からできている。それを焼き固めて作るため、同じ形でも歪みがどうしても出るので、ただ並べただけでは所々にガタツキが出てしまう。越前瓦は焼成温度が高いので特に歪みが大きい。

 

その歪みも組み合わせて一枚の屋根に仕上げるところが職人技になっている。

 

 
100年前なら瓦屋根は高価でなかなか一般の民家では使われることは少なかった。

 

300年前ならお許しがなければ使うことができなかった。その後、火事の延焼を防ぐ効果が高いので都市計画的に都市中心部の密集部に推奨されるが、全国的にはとても自由に使うことができないあこがれの屋根材と言っても良かった。

 

今では、さまざまな瓦の形があり、さまざまな意匠を彩っている。
写真のような桟瓦は強い存在感からそのものが和の意匠性を醸し出す。

 

明治の時代に洋風建築がいきなり入ってきて、日本人の建築技師も洋風建築に取り組むが、その頭に三角屋根を乗せたり瓦を使ったりするとそれだけで和風建築の強い匂いを出す。

 

木材もそうだが自然素材は建築材料となっても強い存在感をだし、意味付けと強いイメージを与える・・・時には意図を超えて・・・

 2011.07.13

 

 織田…瓦その1

 

 
強烈な雨が降った後、連日の35度超え。
 
屋根に上がり瓦を葺く職人は、ずぶ濡れになった次には炙られるほどの日光に攻められる。
屋根は越前瓦の一文字葺き。
軒の一本の長い線が屋根をよりきれいに見せている。
この家は軒の出の深い屋根が特徴になっている。そのため屋根をより強調したいと考え、カタチを単純に、瓦の部材の構成もより単純にしている。
熨斗瓦を省略して棟や壁の取り合いを納めている。
自然素材なので、取り合いを単純にすることでより素材感が出ないかと意図した。
 2011.07.09

 

 織田…現場の屋根から

 

 
建方が無事終わった屋根に登り、ぐるりと周りを見渡すのは楽しい。
 
福井県丹生郡越前町織田は織田信長一族がここから出たと言われていて織田信長の立像もある。
遠くに見えるのは県内でも有名な劔神社の鎮守の森。
周囲を山に囲まれた盆地に見えるが、越前海岸まで15分ほどのところで、この地を頂点に山を下りると岩場の多い海岸線に出るから、なるほど越前海岸はリアス式海岸だとわかる。
梅雨入りしても雨が少なく現場は大変助かっているが、どうもこれからは雨が続くみたいだ。
 2011.06.18