鯖江の家
 
初めてクライアント夫婦とお話をさせて頂いた時には敷地も決まっておらず、住まい造りに必要なことを調べる事からスタートされていた。
鯖江市内でも学童数が多い小学校の近くに敷地があり、周辺は若い家族向けの分譲宅地の開発が進み、昔からの農家の集落が最近の住宅展示場に取り囲まれたようになっている。
プランニングをスタートさせた頃は、若いクライアントご夫婦からの具体的な要望は少なく、どちらかと言うと一緒に家づくりについて勉強していきましょうというスタンスで少しずつ話を進めていった。
1階はLDKを中心に南側に大きなテラス、部屋干しのためのランドリースペース、衣類収納、台所・玄関収納を配置して、個室は2階にしている。
それぞれの窓には目的に合わせた庇を付けている。
LDKのテラス窓には深くて大きなルーバーをかけ、雨に関係なくテラスに向けて開口部が開け放てる様にしている。
玄関周りにも垂木を深く架けた庇屋根を設けていて、ベンチでも置くと夏場は夕涼みの場所になる。
また、個室の窓にはすべて霧除けの庇をつけているため、家としてのカタチが強くなっている。
のどかな自然環境に恵まれ、小学校のにぎやかな声が届く良好な敷地には、空気の流れも人の流れも自由に出入りできるような住まいが良いと考えた。